【風俗嬢インタビュー】第9回 ましろ

 

 

 

ましろ インタビュー

 

SNSの投稿ボタンを押す瞬間、あなたは何を考えているだろうか。
批判されないかどうか、バズるかどうか、伝えたい相手に過不足無く想いが伝わるかどうか、誤解されたりしないかどうか。
誰でも気持ちを表現できる場を持つようになった一方で、その窮屈さを持て余し、そこから距離を置かざるを得なくなった人もたくさんいるだろう。
そんな中でも強くあり続ける存在が、ましろさんだ。
風俗で働く女性の多くが持っている、いわゆる営業アカウント、そこでは多かれ少なかれ自分のキャラクターを作り、ブランディングをし、あくまで“人に見せるもの“として運用していることが大半だと思う。
けれど、ましろさんのそれは少し違う。
彼女は日本を代表する歓楽街、新宿の高級デリバリーヘルス店のNo.1でありながら、たくさんの人の目に触れる営業アカウントであろうと、思ったことを正直に言ってしまう。耳が痛くなる人がいるような話も臆さず、飾らず、偽らず、自分の言葉でまっすぐに伝えようとする。たとえそれに対して批判的なことを言われようと、自分の正しさを決して諦めない。
その姿を見ているとどうしても疑問が浮かんでくる。彼女はそうあり続けることに怖さはないのだろうか。

 

 

 

 

風俗で働くことは一種の自傷行為だったのかもしれません

 


 

 

ーー営業アカウントを始めて1年で、1万2千人以上のフォロワーを獲得したそうですが、人気になったきっかけは何だったと思いますか?

1年前にTwitterを始めたときは、お店でのイメージに寄せて清楚売りをしていたんです。
でも全然フォロワーは増えないし、Twitterからの集客も無いし、嫌な気持ちになるようなこともあるし、何のためにやっているんだろうって思いながら続けていました。
数ヶ月後、働きすぎて疲れとストレスで体調を崩して人生で初めて入院をしました。それまでにNo.1になったりもしていたけれど、ガチ恋のお客様が多くて度を越してくる人や、プライベートまで欲しがる人がいて、どんどん気持ちが削られていったんですね。そのときに病院のベッドで点滴に繋がれながら、「あ、清楚キャラやめよう」って突然思ったんです(笑)
それから入院中にひたすら溜まっていた毒を吐きまくりました。私はしんどいんだ、ふざけるな、何だと思っているんだ、って。今まで隠していた本心を、毎晩どんどん書き殴っていったんです。まっくろましろ、だなんてツイッターのアカウント名も変えたりして。
そうしたらそれが、思ったより皆さんに受けいれられて、面白いと言ってもらえるようになり、同業の女の子からもDMがいっぱいきました。
「言えないことを言ってくれてありがとうございます」「共感しました」
そういう温かい言葉をかけてもらえた上に、Twitterのフォロワーも増えて、ご予約もどんどん入るようになりました。

 

 

ーーそういうやり方をしていると、批判してくる人やアンチの人が出てきたりしませんか?

叩かれたりするのかなって考えていたので意外でしたが、攻撃的なDMとか一切来ないんですよ。私が怖い人だと思われているだけかもしれませんね(笑)
営業アカウントという形で、綺麗なことを言いながら、フォロワーを増やすというのはすごく難しいことです。脱げば増えるだろうけれど、私のエロは、お金を出して来て下さった指名のお客様の為だけのものだと決めていたので、それもしたくなかった。Twitterというのは負のツールなので、負の感情の方がウケるんですよね。だから素直になって怒ってみたり病んでみたり、人間味を出していって良いんだってわかったんです。
そのタイミングで、困ったお客様にはNGを出したり、もう来ないでくださいと連絡して、ほとんどゼロからまたお仕事をスタートすることになりました。
でも清楚売りしていたときは、過剰要求されることが多かったのに、正直に発言するようになってからは、遊び慣れた方や甘やかしてくれる優しいお客様が増えて、お仕事がずいぶん楽になりましたよ。

 

 

ーーNo.1になると接客する人数も多くなると思いますが、怖い経験などしたことはありますか?

それまで、ガールズバーやキャバクラ、メンエスやソープ、AVまであらゆる夜のお仕事をしてきたけれど、怖い思いをしたことは一度も無いんです。
そもそも、そういうことに対するハードルの高さが、みんなとは違うのかもしれませんが、私はゲームが大好きなので、とにかく何でもゲームだと考えちゃうんですよ。どう切り抜けようか、これをやりきったら私レベルアップだな、みたいな。ついついミッションが始まってしまうんです。
在籍しているお店は、客層がすごく良いこともあって、そんなにトラブルは起きないのですが、稀にある場合でも、それすらゲーム感覚で楽しんじゃうんです。
デリヘルでは、お客様のご自宅に伺うこともありますが、他人のテリトリーに入れることや、生活を垣間見れることをラッキーだと思います。楽しいですね。
私自身がそういう姿勢でいるからか、どんなお客様にも途中で帰されたりクレームを入れられたりしたことは全く無いです。
仕事も人生も楽しいことばかりですよ。でも今考えると、このお仕事を始めたのは一種の自傷行為だったのかもしれません。

 

 

ーー風俗の世界に入る前は、どんな人生でしたか?

子どもの頃はとにかく男の子っぽい遊びばかりしていました。
サッカーをやったり、鬼ごっこをしたり、秘密基地を作ったり、エロ本を拾って読んだり(笑)
そんな環境だったからか、性的なことには幼稚園のときくらいから興味はありましたね。男の子と身体を触り合ってみたり。それをエロいことと認識していたかは、はっきり憶えていないけれど、とにかくどんなことに対しても好奇心旺盛だったんだと思います。
19歳になってすぐに家を出て一人暮らしを始めて、いろんなお仕事をやってみました。
カメラのアシスタント、ケータイショップ、洋菓子販売、変わったところだと結婚相談所へ入会させる為のテレアポのお仕事とか。そこにはどこかから入手した怪しいリストがあって、その番号に1件1件掛けていくんです。闇のリストですよね(笑)
どのお仕事も楽しかったですね。何をしていても楽しくなかったことがないです。その間に掛け持ちで少しずつ夜のお仕事も始めました。

 

 

ーーどんな職業でも楽しんで出来るましろさんが、あえて昼職ではなく風俗で働くことを選んだのは何故だったのでしょうか?

よく女の子たちが、風俗を始めて一番最初のお客様のエピソードを憶えていたりしますよね。
でも私は全く記憶に無くて。ただ、つらい思いをしたとか、裸を見せるのが嫌だったとか、泣いてしまったとかそういったことは無かったですね。お金を稼ぐ方法に抵抗がありませんでした。
元々実家の家庭環境が悪くて、父のモラハラやDVが酷かったんです。だから学生時代は精神科に通って、薬を飲まなくてはいけないくらい病んでいて、学校も半分不登校気味でした。でも家にはいられないから、オタク同士のSNSで知り合った人たちとオフ会したり、同人誌即売会に行ったり、となるべく出掛けるようにしていましたね。だから、一人暮らしを始めたときはもう開放的な気分で、とにかく実家にいるよりは何だってマシ、という気持ちでした。自分で自由に使えるお金も嬉しかった。だから自然とお金をたくさん稼げる夜のお仕事から風俗にたどり着いたんです。

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